2014年 08月 10日

ギフテッドの感覚過敏(その3)

Jenseits der Norm - hochbegabt und hoch sensibel? より、感覚過敏についての部分の最後です。

人が多く集まるところ、大きなイベントなども、ギフテッドが特に回避する場所だ。

公共交通機関デパートプールコンサートパーティ会場、レストランなど、大勢の人が集まりさまざまな音や印象が一度に入って来る場所にては、彼らが落ち着くことは難しく、極度に興奮し疲れるということがよくある。そういう状況にては会話に集中するのも困難となり、しばしば自分がいったい何を言いたかったのか、何をしたかったのかがわからなくなってしまうことも多い。

そのことを自分自身ではうまく周囲に説明できないことから、機嫌が悪くなったりする。(←まさにちょっと前までのコージです)

強い太陽の光、夜にすれ違う対向車のライトなど、身体的苦痛に感じることもあるなど、光に対する感覚の鋭さもよく聞く。(←夫です)脂っこい食事、コーヒー、紅茶などで消化不良をおこす等、味覚、嗅覚、温感も鋭い。特定の音も驚くほど強く捉えてしまう場合が多い。こうした感覚過敏というのは、ギフテッドとしての特徴のひとつとなり得るのでは、とWinmerも指摘している。

しかしながら一方では、すべてがうまく作用するのであれば、こうした感覚の鋭さは逆に大きな財産につながり得る。

たとえば、食事がよい例だ。

ほんのちょっとした違いに敏感なことで、微妙な味の変化に気付きわずかな香りを楽しみ、五感のすべてを駆使して堪能することができるだろうし、ワインなどはそのもっともたるものだろう。そのほかにも、

自然の中を散歩している時、
音楽を聴いている時、
また友人や家族と細やかな愛情を伴ったやりとりをする際など。

音楽家がよい音を聞き分けるための、
画家が光や色の美しさを見分けるための、
外科医が細かい指先の感覚によってミクロの作業を行うための、

能力につながることは間違いない。

かなり古い文献になるが、Stefan Zweig のニーチェの研究において、感覚過敏とギフテッドとの関係がいかに深いものかという興味深い記述がある。(かなりわかりずらい古いドイツ語なのでいつも以上に超意訳です↓)

>>>> ニーチェの場合、極度の神経過敏さが「自分の意思ではコントロール不可能な自律神経」である副交感神経にも影響し、たとえば「緊張すると胃がいたくなる」といったことはだれでも経験があるが、そうした状況が彼の場合、それこそ四六時中続いていたとも言えるだろう。(← 胃散が分泌され心臓がバクバクするような緊張状態がが絶えず続く、という感じでしょうか?)

つまり、周囲のほんの小さな変化や緊張でさえも、ニーチェにとっては大きな振幅を持って「身体的な激痛」として認識されてしまう。そしてこの極度の神経過敏さが、彼の生命力を日常的に、しかもねこそぎ浪費してしまうのだ。

しかしながらこの、ぞっとするような「超」感覚過敏こそが、彼の数々の業績につながっているのは間違いないと思われる。<<<<

幸運なことに、ニーチェほど強く感じるという例もそれほど多くはないだろう。しかしながら、こうした記述を読むと、高い知能や高い芸術性と細かく鋭い神経が要求される活動、そしてそれを支える鋭い感覚が密接につながっているのかがわかるのではないだろうか。

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ニーチェに関して何の知識も持たない私ですが、ちらっとウィキで調べると精神的衰弱が激しく同時に不治の病にかかったりしながらかなり凄惨な晩年を過ごしたようです。

また、彼自身の責任ではないにせよ、ナチズムへの影響が大きかったことから、現在のドイツ国内では否定的な捉え方をされているようです。

ニーチェがギフテッドだったのかということはさておき、感覚過敏だけに関して言えば、彼ほどの極端な例まではいかないまでも、同じような感覚の過敏さで苦しむギフテッドは多いでしょう。が、感覚過敏の問題がなくかつ知性や芸術性も高い!という例も、同じくらいの割合で存在するのかもしれません。

ただ、この部分=感覚に鋭く反応しすぎるという面があるからこそ、それを起点としてあるテーマを深く追求し得ることにつながり得る、というギフテッドもまた相当いるだろう、と個人的には思います。

そうした強すぎる感覚を苦しむだけの要素から解放して逆向きに転じさせるというのは、周囲と本人両方の認識と努力が不可欠です。

この周囲というのはもちろん、家族である場合が望ましいかもしれませんが、そのサポートを得られない孤立無援状態の状態で、そういう特殊さを本人も理解しないまま周囲にも理解されないまま、つらい幼少期青年期を過ごす例も多々あるだろう。

ブログを書いていて息子のことを見ていて、いつも同じことを感じます。

もし、親がこのことに気がつかなかったとしたら、そういう子どもがたくさんいるとしたら・・・と。だからこそ、そういう子供たちの受け皿を社会が提供するというのが必要だろう、と強く思うのです。

写真は木漏れ日の射す森の散歩道にて。今年はドイツはとてもいい天気が続いてます。


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# by dksh_okys | 2014-08-10 23:06 | OE ? OK !
2014年 08月 02日

ギフテッドの感覚過敏について(その2)



「Jenseits der Norm - hochbegabt und hoch sensibel?」より、ギフテッドの感覚過敏 ( Sensorische Ueberempfindlichkeit ) の続き、「触感」についてです。

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ギフテッドは一般よりも、「触感」(自分がなにかに触れた時に感じる感覚と、他人に触れられた時に感じる感覚)が極端に強い。

4歳のトーステンはよく、大人に話しかけられたり触られたりすることがとてもいやだ、と言っていた。

そうはいっても、外出先で知人に会いこうした場面に出くわすことは、子ども自身ではコントロールできないし、もちろんあらかじめ予測もできない。だからその時は親の後に隠れたり泣いたりすることも多いようだ。(← コージは長い間そうでした)

たいていの子どもが何よりも好きな学校の休み時間だが、これもギフテッドにとっては全くの苦痛に変わってしまう場合多い。

ーー休み時間のチャイムがなると、ほかの子たちが一斉に外に飛び出しあちこち走り回るので、よく押しのけられたりする。だからその時間僕は小さくなっているんだ。ーー

ギフテッドは、たたいたり蹴ったりといった身体的接触を伴うけんかを避けることが多く、この点でもかなり苦しむようだ。トラウマになるくらいつらく感じる子どももいる。

特に男子はこの点について極端にプレッシャーを感じるようだ。それを避けることで、「弱虫」だとか「臆病者!」などとほかの子どもたちにいじめられたりするからだ。

こうした学校での極度のストレスから解放され落ち着くために、学校が終わった後にホッとした時間を持てるかどうか、はかなり重要だと言えよう。

しかし現実には、息子のそうした様子を聞くのが耐え難い、特に父親は自分の息子に

やられたらやりかえせ !」

などと、かえってよけいにプレッシャーをかけてしまう場合が多い。

つまり、子どもたちは学校においてだけでなく家庭においてもこの点を負担に感じ、気持ちの行き場をなくしてしまうのだ。

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まさに数週間前の我が家がそうでした。

学校や学童にて、息子が表面上は仲良くしている男の子から、頻繁に顔を叩かれたり足を蹴られたりしていたらしく、迎えに行った私に涙目で訴えることがままありました。

ドイツの男の子同士のやりとりは(少なくとも日本人学校ではそうしたことはない)、結構、というかかなり乱暴、それにある程度やり返さないと逆にイジメの対象になる、というのも現実のようです。

夫も「黙っていてはやられるだけ」ということを小学校時に身をもって学んだようで、

やりかえすことをおぼえなさい」と。

でもね、私としてはそれも一理あるものの、「目には目を」的な応酬には疑問でしたし(もちろんある程度は仕方ないとしても)、息子も「いつもいる友だちだから、あまりやり返したくない」と言うのです(でも彼はそれを夫には言わない・・・)。それになによりも、ちょっとした小競り合いのようなものでも気持ちに響くようなんですよね。

あまりに頻繁なので、その子のお母さんにさり気なく相談し、一時少し治まったようですが、まだまだあるようで。

毎日いっしょに行く学校、学童に行く子ですし、おまけに4年間それは変わらずなんですから、こちらも気を遣います。

でもその子のお母さん自身も幼稚園の先生、私が知る限りとてもいい方だと感じたので、言葉を選んでですがわりとストレートに伝えました。

ボディコンタクトが苦手なことで、コージ自身が学校でも学童でもかなりストレスを感じているんだろうなと、今では理解できるのです。

でも小学校なんかではまだまだそうした場面は避けられない。

こうしてみると、外でのこうした強い緊張から解放され、子どもがホッとする場所であるべき家庭がどれほど大切か、しみじみ思いました。

9月まで出たり入ったりいたします。みなさんもどうかよい夏休みを!


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# by dksh_okys | 2014-08-02 10:24 | OE ? OK !
2014年 07月 26日

リコとオスカーの「深い」関係

先日Kino(映画館)にて 、ADHDリコギフテッドオスカーという二人の男の子が主人公の映画「Rico, Oskar und die Tieferschatten」(リコとオスカーと深い影)を観てきました。

これはドイツ国内において、何年か前にベストセラーとなり児童文学賞を受賞した本の映画化で、ベルリンに住むリコとオスカーの交流を柱に、彼らとその周囲にいるエキセントリックな大人たちとのやりとりや、二人の冒険を織り交ぜたストーリーです。

息子とその友だちのジーナン、そしてもちろん私自身もおおいに笑い楽しみました。リコとオスカーを演じた子役(写真のふたり )がヨカッタ。 ちなみに彼らは 実際にもギフテッド 、だそうですよ。
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ギフテッドはドイツ語で、HochbegabtHoch = 高い、begabt = 才能にめぐまれた)と言うんですが、ADHDであるリコが自分を紹介する時のセリフがこれ(↓)。

「ぼくは Tief-begabt な(tief = 深い、つまり「深い才能」にめぐまれた)子どもなんだ。時間はかかるけど深く考えるんだよ」

このTiefbegabt とは著者の造語だそうですが、リコを表す言葉としてなんて的確なんだろうなと。記憶が定かであれば、お母さんが心から愛する自分の息子=リコにそう説明したことから、本人も認識するようになったというのです。

そして何よりも驚いたのは、この手の映画が(私の住んでいるような)大きな都市のそれもメジャーな映画館でフツーに観られるという事実!

日本であればさしずめ、岩波ホール系(もうないっけ?)だろうけど、ドイツにては新宿ピカデリー系だった!という感じ?(笑)

息子のクラスメートのヤンが既に観ていて、そのお母さんから「よかったよ~」ということは聞いていましたし、学童でも先生もご存知でした。わりとみんな普通に子どもといっしょに見る映画として認知されているようです。

あーちゃんママやチョコママが取り上げてらしたような「マチルダ」もそうですけど、この手の映画が日本で上映され、ギフテッド及びその周辺の問題がごくフツーに自然に取り上げられるようになるのはいつだろう、と思いましたよ。

内容についてちょっとだけ。

リコは考えるのに少し時間がかかり、右と左がわからなくなってよく道に迷ってしまう。でも言葉を知りたい気持ちは人一倍強く、いつも辞書を片手になにやら書いている。彼は自分のことをよくわかっているし、とても好奇心が強いのです。そして何よりも親切でいつも明るい男の子。

一方、ギフテッドのオスカーは、いろんなことを知ってはいるけれど、からだも小さくいつも緊張しています。

リコがオスカーのことを自分なりに理解して言う言葉です。

「オスカーはどんなことでも詳しく知っている。
 でも気分はいつも最悪なんだ。

 僕はといえば何も知らないけど、
 いつも気分はいいんだよ!」

「頭がいいということは、いいこともたくさん入って来るけど、
 そうでないことも入って来るんだよね」

実は二人のやりとりを見ていてですね、リコ役の子の人懐っこいところがKくんに、オスカー役の人を食ったようなところがコージに似ているような気がしまして、こちらの現実と(勝手に)重ね合わせ私自身がホロリとしてしまいました。

後でそのことを息子に話すと、息子も同じように感じたんだとか。

この原作について、ドイツの新聞での批評記事がありまして、私が考えていたことそのものだったので一部載せてみましょう(すいません、出所見つからず・・)。

ハンディキャップへの偏見についてでなく、
 子ども向けに道徳を意識しすぎた類いでもない。

 二人の子どもについてごく普通に愛情をこめて描き、
 ディテールを緻密に構成した素晴らしいストーリーだ」

私たちの身近に実はフツーにたくさん存在するだろう、こういう子どもたちが、
それぞれの凹凸をフツーに出せて、
周囲もそれをフツーに受け止める。

そんな社会がフツーになるよう、私も願ってやみません。

最後に、リコとオスカーの「深い」関係を端的に表す言葉を紹介し、
今日は終わりにすることにします。

リコは、オスカーといっしょにいると 道に迷わないで済むんだ。
そしてオスカーは、リコといると 不安な気持ちがなくなるんだよ。



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# by dksh_okys | 2014-07-26 00:27 | ギフテッド関連情報
2014年 07月 25日

あーちゃんママ、お帰りなさい!

みなさんお気づきでしょうが、

あーちゃんママがギフカテに復帰 されました!(

アメリカのギフテッド&2e情報


といっても、メインの活動の場としてらっしゃる2Eカテに登録されているブログはそのままですが、そこからギフテッド2E 関連情報のみをピックアップして、私たち迷える子羊が必要なギフテッド周辺情報により辿り着きやすいようにという、ホントにありがたいことだと思います。

あーちゃんママ、今後もどうぞよろしくお願いしますね。


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# by dksh_okys | 2014-07-25 20:30 | ギフテッド関連情報
2014年 07月 21日

ギフテッドの感覚過敏について(その1)


ここでよく紹介している本、「Jenseits der Norm - hochbegabt und hoch sensibel?」より、ギフテッドの感覚過敏についてのくだりを読んでいたら、まさに息子と夫そのもの、という部分がありましたので、何回かにわけてまとめながら、我が家の場合について書いてみます。

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ギフテッドの子どもを持つ父母から著者(Andrea Brackmann = 心理カウンセラー)がよく聞くことのひとつに、「音に対する過敏性」がある。

兄妹といっしょにディズニーランドを訪れた6歳の女の子ヤナにとって、けたたましい音楽大声で騒ぐ子どもたちの存在は苦痛以外のなにものでもなかった。

メリーゴーランドは見ているだけで不安になり、目に入るもの全てがおそろしい早さで動いていく様子に耐えられず、ずっと耳を抑えていた。

帰り道には自分を落ち着かせるために、体を始終前後にゆらし同じ歌を繰り返し何度も口ずさんでいた。

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>>>>これは夫はもちろんそうですが、(ギフテッドではない)私自身もよ~くわかります。ディスニーランドは大昔に二度ほど(しぶしぶ)行きましたが、視覚的にも聴覚的にもあまりにも人工的すぎる空間に全く楽しむことができなかったのを覚えています。

息子が好きか嫌いかはわかりませんが、激しく興奮するだろうというのは想像がつくので、家族で行くことは100%ないと思います。

楽しめる人もたくさんいらっしゃるでしょうけど、「五感を刺激しすぎる」という点を考えれば、たいていのギフテッドはネガティブな反応をするのではないかなあ、どうなんだろう。

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「いつも教室はほんとうにうるさいんだ。
 だからあそこでは勉強できないんだよ!」

という子どもの訴えもよく聞くことだ。教室がざわざわしていることで、ギフテッドの集中力が著しく損なわれることが多い。だから教室にて、

「静かにするように!」

と、断固とした態度で厳格に対する先生というのは、たいていの子どもたちには人気のないものだが、ギフテッドは逆に、そういう先生にこそ好意を持つ場合が多い。

-----------

>>>>このあたりもギフテッドのおなじみな問題です。息子も最近特に、教室において周囲の声や動きに集中をそがれ、ケアレスミスをよくしています。近い将来なんらかの対策が必要かなと感じているところです。そうは言ってもやはり、そこで集中しないといけないのですからね。みなさんどうしてらっしゃるんだろうか。

でもね、家においては逆にほんとにうるさいんです・・・

その日にあったことをよく話し(特に夫が帰宅と同時に弾丸トークに変わる)、ものを床にしょっちゅう落としたり走ったりジャンプしたり(これはまあ、7歳男子ですし・・)するので、全く反対にとても静かな環境を好む夫にとっては、生活をともにするのにはかなりの忍耐が必要。

でもそういう夫が、コージのような子どもを持ったというのも何か意味があるような気がします。

小さい頃からとても大人びていた夫ですが、コージと明らかに違うところは、一貫して静か環境を好んでいたこと。

コージの場合は、「自分から発信する騒音」(笑)も並々ならぬものがあり、でもそれが逆に「周囲から自分へ」となると途端に耐えられなくなるという、なんとも迷惑なケースだと思います。

最初は私、息子の方ばかり向いていまして、「子どもだしアパート住まいなのだから親がちょっとは我慢しなくては」と思っていたのですが、聴覚過敏の夫にとっては、息子のあらゆる所作が気になるようで、それを理解した今では、両方について気遣うようにしなければいけないな、と思うようになりました。

次回は触覚に関する過敏についてです。


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# by dksh_okys | 2014-07-21 04:18 | OE ? OK !
2014年 07月 17日

ギフテッドの強い感情移入

「ぼくはよく、ものにはぜんぶ 心がある ように かんじるんだよ。」

 最近息子コージは、特にそのことを強く思うようです。

「だから、何かをすてると、それが 泣いている ような気がするんだよ。」そう言いながらも、その場面を想像するんでしょうね。
既に泣きそうになるのです。

だから古いおもちゃ、もう着られなくなったシャツや履けなくなった靴だけでなく、チョコボールの箱とかアメの包み紙とか走り書きメモとかその他もろもろ、一度自分が関わったものをうっかり息子の前で処分しようとすると大変でした。

そういう息子の使ったものって、母である私にとってももちろん彼以上に愛着のあるものですけど、しかしここは狭いアパート。

現実的にはなかなかそれも難しく、不必要なものはその都度処分しなければなりません。私も最近やっとそのあたりの彼の感情を理解しましたので、人知れずこっそりと取り組むようになりましたけど。

昔飼っていた犬が、小屋に敷いていたマットを新しいものと取り替えようと取り出した時に、不安げに不満げにかなしそうに古いマットの方ばかりを見ていたことを思い出しますけど (笑)、犬だって子どもだって(もちろん大人だって)「ある時間を共有したもの」に対して、愛着を持つのは自然なこと、でも息子の場合はそれがかなり強いのです。

先日、私自身がかなり気が滅入っていた時に、このアパート環境は7歳男子にとって決してよくないと思い詰め、引っ越しを考えました(実は今も継続中。夫には言っていないのですがね)。で、こっそりとさりげな〜く息子に聞いたんです。

「◯◯(私の実家)みたいに、広い庭のある家に住めたらいいよねえ。。」

するとコージくん、

! 

このアパート、ぼくは大好きだし、
それにぼくたちが引っ越しちゃったら、

この アパートが泣いちゃう気がするんだ。

だからぜったいに、やだぁよぉぉーー!!」

即答でした。

彼の中では万事がこの調子なんでしょう。このごろは特に自分が関わったものでもないものについても、そういう感情を抱くらしい。

何かに対して、好むと好まざるに関わらず、日常的に息子が入って行かざるを得ない「深さ」について、私も最近よく考えるのです。


写真は、作文の宿題などがあまりにもはかどらなくて頭に血が上った時などに、居間の彼専用の作業テーブルの下にもぐって取り組んでいる様子です。

「ほんとっ、頭くる〜」とか言いながら。。


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# by dksh_okys | 2014-07-17 05:52 | OE ? OK !
2014年 07月 13日

ギフテッドの友だち関係

僕を見たら、Kが逃げるように去って行ったんだ・・

先日日本人学校が終わった後に迎えに行くと、息子が半泣きで私の元に来ました。
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あとでKくん母と話しましたが(コージが青い顔をしていたので心配になって電話をくれた)、Kくんとしてはそんな深い意味はなく「ちょっとめんどくさいなあ」くらいだったのでしょう。

どうやら、コージの強い思いが周りにも自分にもストレスを与え、よくないように回ってしまっているのかな、と。

明るくて面白くてみんなから好かれるKくん。7歳の子どもですしその時の興味に応じて他の子と遊んだり一人になりたかったりで、いつもコージとだけというのはそりゃあ無理な話です。

でもコージは違うのです。これぞと思った相手に、

全身全霊で (笑)対したい

以前に(中途半端に)紹介したJenseits der Norm...で、まさにこの部分について書かれたところ(Freundschaften (= 友人関係))がありました。ギフテッドアダルトについてですが、子どもにも当てはまると思いますので、かなりの意訳ですがちょびっと紹介したいと思います。間違いに気がついた方がいましたらご一報!

----------------------

ギフテッドは友人に対しても、(自分がそうであるように)深くて密度の濃いやりとりを無意識にもとめてしまう。そうした自分の思いの強さに対して、ネガティブな反応が多かったという過去の経験から、ギフテッドは人間関係においても、ちょっとしたことに敏感に反応すぐに懐疑的になってしまう・・・

グレン・クールドピカソがまさにそうであったように、ギフテッドは、長い時間をかけて培った大切な人間関係を、相手のほんのささいな一言によって一瞬のうちに完全に断ち切ってしまうということもよくある。

しかし彼らが、こうした強い感受性や他人に対する要求度の高さを否定的にとらえて、他人に合わせすぎたりするというのは、自身への不満や緊張が増してしまう。

だからギフテッドに大切なのはまず、

ギフテッドである 自分をよく知ること」。

ギフテッドであることの特異性について
自分が何を望んでいるのか
自分の持っている能力や可能性
陥りやすい危険性
そしてギフテッドが人間関係を築く上での傾向

などを、自分自身でよく認識し理解すること。

そのことこそが実は「自分以外のギフテッド」を理解することにもつながり、結果的に彼らが共に切に求めている、

表層的ではない豊かで深い人間関係」を、

ギフテッド同士で 築くことができるのだ。

----------------------

自分のことを肯定するためには、まずギフテッドである自分の特性を知ること、そうすることで人間関係をよりスムーズに運ぶこともできるかもしれない。そしてその上でやはり、ほかのギフテッドとの交流が欠かせないものでもあるんでしょうね。

大人でもそうですけど、子どもだって一人では淋しい。特にこれからは複雑な思考や感情がさらに増えてくればくるほど、家族だけでは満たされない思いというのはだんだん強くなりましょう。

そういう時の苦しい思いを理解できるというのは、やっぱり同じような深さや密度を求めて四苦八苦した経験のある人かもしれません。

また、そういう存在が一人でもいることで、実はほかのの関係もスムーズにいくこともあるんでしょう。自信につながって余裕も出てくるかもしれませんしね。

今朝息子にも、彼の友だちに対する思いの強さなどは決して特殊なことではないこと、でも友だちの気持ちやペースも尊重しなければね、と話しました。そして悶々とした2週間を過ごした後の今日土曜日、また二人は「親友」に戻って仲良く遊んでいたようです。

ところで写真は、英国式長屋住宅のステキな前栽。

ドアまわりの生き物のような木(生き物だけど)に思わず引きつけられました。改装中(←ほぼ半永久的)のクレアのビクトリアン様式長屋もステキだったけど、写真を撮るのを忘れちゃいました。また次回。


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# by dksh_okys | 2014-07-13 03:57 | 悩み多き友だち関係
2014年 07月 10日

イギリスでの日々。

ツール・ド・フランス(と、ウィンブルドン)に湧いたイギリスから帰ってきました。
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親しい友人クレアがロンドンでのモダンダンスのチケットを取ってくれたのがきっかけですが、新しいテートモダンにて、マチスの晩年のすさまじい情熱を傾けた切り紙絵(っていうっけ?)展を観たり、随分訪れてなかったケンブリッジにて、この時期のみ開催する地元のアーティストたちの Open Studio に出かけたり、とにかくよく食べよく飲みよくしゃべり、思いっきり羽目を外してまいりました。気持ちもだいぶ軽くなったかな。

ところで写真は、友人の愛車である、

なんちゃってフォルクス ワーゲン

実はこれを作ったのはなんと、日本の自動車メーカー「スバル」だそうな。

最高時速50キロ(もちろんそんなに出すことはないけど)、日本の軽トラックのような乗り心地のこの車ですが、買い物用の小型車を探していたところ、e-Bay で見つけたらしのですよ、クレアの夫 Andy が。

色もかわいい(自作のスマイリーもミラーにぶら下げてる)この車で、週末になると買い物をしたり市民農園で育てている野菜などを収穫しにいったりするんですと。

なんといってもステキなのは、これに乗ってケンブリッジをノロノロ走っていると、道行く人々がみんなこちらに向かって、

ニコニコ手を振ってくれる んです!

まるでラブリーなクレアの人柄そのもの(彼女の周りはみんなニコニコ)で、助手席に座っていた 私も もちろん手を振り返しつつ(笑)終始ニコニコでしたよ。

スバルさん、こんなところでいい仕事してるじゃないのっ。

結論。

母親業も、休息が必要

友だちのこと、学校のことで感じる息子の日々の緊張、不安が母親である私に伝わり、スポーツも習い事もしない環境にて、息子が私への依存を深め全てが私に集中しているように感じていたところだったので、とてもいいタイミングで気分転換できました。

息子と言えば、4日間さぞ寂しがっているかと思いきや、私がいないことで許されたテレビ視聴とかスターウォーズのDVD、それとお父さんがよく遊んでくれたり等、いろいろ特例があったにせよ、母親がいなくてもけっこう回っていたようで、ああ親子ってこんなものね、と妙に納得しています。

家族といえどもお互いの大切さを再認識するためには、やはり時々こうして離れてみること。子どもが小さいとなかなか難しいですけど、ときどきは諸々の事情をとりあえず置いといて、

自分だけの楽しみを優先 する!

これってホント大切だな、と思いました。

「自分のため」が、子どものために家族のためになる・・・こともあるのよ(笑)。

きちんと休息することこそ、

 長きにわたっての健康的&建設的な思考に不可欠!」

という考えがしっかり根付いているヨーロッパにおいて、「休み」はと〜ても大切なものであり、自分がとることとともに周りがとることをみんなが尊重してくれます。夫も協力してくれたので今回は思い切りましたが。

イギリスのそれはそれは美しい田園風景とともに、イギリス人のなんていうか、

表現や態度が婉曲で奥ゆかしいところ」などもね、

ドイツにて、

自我と権利を主張しすぎる

人たちにこのところ辟易していた私にとてっては、かなり癒しとなったようです。
いやドイツ人、いい人もたくさんいますけどね(笑)。

ああ、また行きたいな。私から話を聞いたコージは既に行く気満々です。

夫にも美しいイギリスのガイドブックを買って来ました。まあでも、家族でいくとなるとまた(かなり)違うんだけどね。。でもとにもかくにも、二人ともありがとう!


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# by dksh_okys | 2014-07-10 21:27 | ドイツの日常
2014年 07月 03日

ある日のコージの財布の中身

ちょっと重い話題が続いたので気分転換。

家で遊んでいる時は、家着用のズボンのポケットにあらゆるものを入れている息子です。なのでポケットがないものは絶対にはきません。

前後左右に合計4つのポケットがあるものがお気に入りでして、走ったりジャンプしたりして中身が床に落ちて音をたてるので、知覚過敏の夫やもちろん階下の方にも大変迷惑なんですが・・
ポケットに入れるグッズとしては、まずはピストル、それにだいたいもれなく財布が加わりまして、その財布も中にいろいろなものをいれているので、いつもポケットはパンパンに膨らんでます。

私の母や夫の母、双方からいらなくなったものをもらっているので、財布に関しては彼はすでに膨大なコレクション(10個くらい?)があります。

その中身については時々、 頼みもしないのに 公開してくれまして、写真は一昨日のものです。

運転免許証(←3年前くらいに私がつくってあげた)
・おもちゃの金貨
・イギリス硬貨
・成田で買った浅草小判
・義母にもらったダイヤモンドのボタン(笑)

などなど。

夫を見ているからか、ポケットに財布を入れる、というのはなんだか大人っぽい感じがするようで、それを取り出す仕草とかを悦に入ってよくやっています。

実は私も、よく着るジャケットの左ポケットには、去年の冬にコージからもらったカスター二(日本の栗のようなもの)が入ってます。

なんだか取り出すこともできずに、ずーっと入ったまま。
ポケットに入れた左手がそれに触れると、なんだかホッとするのですよ。

乾ききっているので腐らないでしょうし(笑)。


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# by dksh_okys | 2014-07-03 12:37 | 今、ハマっているもの
2014年 06月 24日

日曜午後のユウウツ。

ドイツの小学校1年目がもうすぐ終わるのですが、仲のいい友だちがなかなかできずにいます。

みんなとなかなか興味関心が合わず、かといって一人でいることにも耐えられずと、息子にとっては毎日がたいへんそうで、側で見ている私としてもどうしたものかと迷う日々です。
d0002471_203495.jpg
一番の友だちK君は近くに住んでいないので、頻繁に会うことができない。
で、会うとなると当然その 興奮度が 極端 になり、傍で見ていても疲れる程。

先日もこのKくんと久しぶりに長時間遊んだのですが、夕方彼が帰ったあとでソファに突っ伏して泣き出しまして。。

「Kと別れるのが、すごーく 淋しいんだよぉぉぉ・・

会えなければ会えないで思いが募り
会えば会ったで別れがつらい・・

と、まるで 恋人のよう ・・・。

K君も息子も、日本語が同じように流暢、バイリンガル特有のそれっぽいアクセントがなく(←コレって重要)、豊富な語彙をつかってダジャレや言葉遊びを交えて共通の興味であるサムライや忍者について延々と語る・・。

まさに理想の友だちです。
息子のKくんといる時のウレシさも興奮もわかります。

でもね、見ていると悲しいかな「Kくんにとって」の息子は、そこまでの存在ではないのですよ。

遊んでいる最中でもK君はよく突然本に集中したりして、自分ひとりの世界にすーっと入って行くんですが、一方コージはというと、事前に勝手にシュミレーションしていたことを消化できずにウツウツしてたりしまして、見ようによってはちょっと、

重っ・・。(←笑)

すでに 将来の異性問題 が想像され、母としてもちょっと切ないものがあります。。

いやいやでも、少なくとも二人で遊ぶこと自体はお互いとても楽しいようなので、その点はコージにとっても母にとっても文句なくうれしいんですがね。

でも問題は、最近このちょっと強すぎる「ステキな片思い」が、ふだんの友だち関係にステキじゃなく影響してきている、つまりKくんと比べるとみんな、

なんか 全然 違う

と思えてちゃうらしい。そりぁそうよね。

他の友だちへの要求度をぐんとあげてしまい、周囲への不寛容さが増し結果として彼らを否定してしまう。それは当然態度にも出てるんでしょうね。一応、彼なりに合わせる努力はしていると思いますけど。そういう満たされない思いがさらに「極端に狭い範囲」(Kくんね)に集中してしまう。

友だち関係は、どの年齢でも多かれ少なかれ悩みを抱えるものだと思いますが、早熟さと社会性の発達のアンバランスさ、友だちを細かく観察しすぎることで必要以上に感じる感性の違い価値観の違い、興味の対象の違い、そうした違いを受け入れられない不寛容さ、そしてそれらに対する「思いの強さ激しさ」などで、周りの友だち候補をみんなはじき飛ばしてしまう。

周りもそういう彼の繊細な反応や極端さに、

「 ホント、Too much なやつだな・・ 」

(一番の理解者である私でさえもそう思うこと多々)と感じているのかも、と。

このあたりは、ギフテッドのものの本でもおなじみの問題ですけど、息子の場合さらにプラスすることの、

それらが導く「ひとりぼっち」にも耐えられない。

対策としては、

1)なにか共通項が見つけられるように、こちらも歩み寄ること
2)ひとりでいることをネガティブに取りすぎないこと

なんでしょうが、その二つのどちらかに偏りすぎてもだめでしょうし、でもそのバランスをどうとればいいのか、母として具体的なアドバイスができずにいつも迷っています。

2)については、もうこれは折に触れていつも言っています。自分でも「ぼくもそう思うんだよ」と言うのですが、そんなの簡単にできませんよね。「なかなか難しいよね」と親として共感しながらも、言い続けるしかないんだろうな。

それ以外にも、

3)行動範囲、交友関係を広げられる学校以外のアクティビティを探す

といつも考えていますが、なかなか適当なものが見つからず、第一本人がやりたがらない。

ドイツの小学校は4年間クラスが同じです。だから、わずか11人の男子の中で適当に合う友だちがいないとやはりつらい。だいたい、学校が楽しかったなんて言ったことはほぼなく、翌日からの学校のことを考える日曜には ため息が深くなる。

それは大人でも同じですけど、7歳男子が、と思うと母としてもつらい。

息子はそういうことを全部私に話してくれるのですが、私の方も心情的に共感しすぎて苦しい部分もあります。

とうやったらそういう親子の苦しさを少しでも減らすことができるんだろうなあ。
緊張を解くなんらかの親子参加のセラピーが必要なのかなあ。


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# by dksh_okys | 2014-06-24 20:59 | 悩み多き友だち関係