2014年 07月 26日

リコとオスカーの「深い」関係

先日Kino(映画館)にて 、ADHDリコギフテッドオスカーという二人の男の子が主人公の映画「Rico, Oskar und die Tieferschatten」(リコとオスカーと深い影)を観てきました。

これはドイツ国内において、何年か前にベストセラーとなり児童文学賞を受賞した本の映画化で、ベルリンに住むリコとオスカーの交流を柱に、彼らとその周囲にいるエキセントリックな大人たちとのやりとりや、二人の冒険を織り交ぜたストーリーです。

息子とその友だちのジーナン、そしてもちろん私自身もおおいに笑い楽しみました。リコとオスカーを演じた子役(写真のふたり )がヨカッタ。 ちなみに彼らは 実際にもギフテッド 、だそうですよ。
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ギフテッドはドイツ語で、HochbegabtHoch = 高い、begabt = 才能にめぐまれた)と言うんですが、ADHDであるリコが自分を紹介する時のセリフがこれ(↓)。

「ぼくは Tief-begabt な(tief = 深い、つまり「深い才能」にめぐまれた)子どもなんだ。時間はかかるけど深く考えるんだよ」

このTiefbegabt とは著者の造語だそうですが、リコを表す言葉としてなんて的確なんだろうなと。記憶が定かであれば、お母さんが心から愛する自分の息子=リコにそう説明したことから、本人も認識するようになったというのです。

そして何よりも驚いたのは、この手の映画が(私の住んでいるような)大きな都市のそれもメジャーな映画館でフツーに観られるという事実!

日本であればさしずめ、岩波ホール系(もうないっけ?)だろうけど、ドイツにては新宿ピカデリー系だった!という感じ?(笑)

息子のクラスメートのヤンが既に観ていて、そのお母さんから「よかったよ~」ということは聞いていましたし、学童でも先生もご存知でした。わりとみんな普通に子どもといっしょに見る映画として認知されているようです。

あーちゃんママやチョコママが取り上げてらしたような「マチルダ」もそうですけど、この手の映画が日本で上映され、ギフテッド及びその周辺の問題がごくフツーに自然に取り上げられるようになるのはいつだろう、と思いましたよ。

内容についてちょっとだけ。

リコは考えるのに少し時間がかかり、右と左がわからなくなってよく道に迷ってしまう。でも言葉を知りたい気持ちは人一倍強く、いつも辞書を片手になにやら書いている。彼は自分のことをよくわかっているし、とても好奇心が強いのです。そして何よりも親切でいつも明るい男の子。

一方、ギフテッドのオスカーは、いろんなことを知ってはいるけれど、からだも小さくいつも緊張しています。

リコがオスカーのことを自分なりに理解して言う言葉です。

「オスカーはどんなことでも詳しく知っている。
 でも気分はいつも最悪なんだ。

 僕はといえば何も知らないけど、
 いつも気分はいいんだよ!」

「頭がいいということは、いいこともたくさん入って来るけど、
 そうでないことも入って来るんだよね」

実は二人のやりとりを見ていてですね、リコ役の子の人懐っこいところがKくんに、オスカー役の人を食ったようなところがコージに似ているような気がしまして、こちらの現実と(勝手に)重ね合わせ私自身がホロリとしてしまいました。

後でそのことを息子に話すと、息子も同じように感じたんだとか。

この原作について、ドイツの新聞での批評記事がありまして、私が考えていたことそのものだったので一部載せてみましょう(すいません、出所見つからず・・)。

ハンディキャップへの偏見についてでなく、
 子ども向けに道徳を意識しすぎた類いでもない。

 二人の子どもについてごく普通に愛情をこめて描き、
 ディテールを緻密に構成した素晴らしいストーリーだ」

私たちの身近に実はフツーにたくさん存在するだろう、こういう子どもたちが、
それぞれの凹凸をフツーに出せて、
周囲もそれをフツーに受け止める。

そんな社会がフツーになるよう、私も願ってやみません。

最後に、リコとオスカーの「深い」関係を端的に表す言葉を紹介し、
今日は終わりにすることにします。

リコは、オスカーといっしょにいると 道に迷わないで済むんだ。
そしてオスカーは、リコといると 不安な気持ちがなくなるんだよ。



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by dksh_okys | 2014-07-26 00:27 | ギフテッド関連情報


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