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2014年 08月 10日

ギフテッドの感覚過敏(その3)

Jenseits der Norm - hochbegabt und hoch sensibel? より、感覚過敏についての部分の最後です。

人が多く集まるところ、大きなイベントなども、ギフテッドが特に回避する場所だ。

公共交通機関デパートプールコンサートパーティ会場、レストランなど、大勢の人が集まりさまざまな音や印象が一度に入って来る場所にては、彼らが落ち着くことは難しく、極度に興奮し疲れるということがよくある。そういう状況にては会話に集中するのも困難となり、しばしば自分がいったい何を言いたかったのか、何をしたかったのかがわからなくなってしまうことも多い。

そのことを自分自身ではうまく周囲に説明できないことから、機嫌が悪くなったりする。(←まさにちょっと前までのコージです)

強い太陽の光、夜にすれ違う対向車のライトなど、身体的苦痛に感じることもあるなど、光に対する感覚の鋭さもよく聞く。(←夫です)脂っこい食事、コーヒー、紅茶などで消化不良をおこす等、味覚、嗅覚、温感も鋭い。特定の音も驚くほど強く捉えてしまう場合が多い。こうした感覚過敏というのは、ギフテッドとしての特徴のひとつとなり得るのでは、とWinmerも指摘している。

しかしながら一方では、すべてがうまく作用するのであれば、こうした感覚の鋭さは逆に大きな財産につながり得る。

たとえば、食事がよい例だ。

ほんのちょっとした違いに敏感なことで、微妙な味の変化に気付きわずかな香りを楽しみ、五感のすべてを駆使して堪能することができるだろうし、ワインなどはそのもっともたるものだろう。そのほかにも、

自然の中を散歩している時、
音楽を聴いている時、
また友人や家族と細やかな愛情を伴ったやりとりをする際など。

音楽家がよい音を聞き分けるための、
画家が光や色の美しさを見分けるための、
外科医が細かい指先の感覚によってミクロの作業を行うための、

能力につながることは間違いない。

かなり古い文献になるが、Stefan Zweig のニーチェの研究において、感覚過敏とギフテッドとの関係がいかに深いものかという興味深い記述がある。(かなりわかりずらい古いドイツ語なのでいつも以上に超意訳です↓)

>>>> ニーチェの場合、極度の神経過敏さが「自分の意思ではコントロール不可能な自律神経」である副交感神経にも影響し、たとえば「緊張すると胃がいたくなる」といったことはだれでも経験があるが、そうした状況が彼の場合、それこそ四六時中続いていたとも言えるだろう。(← 胃散が分泌され心臓がバクバクするような緊張状態がが絶えず続く、という感じでしょうか?)

つまり、周囲のほんの小さな変化や緊張でさえも、ニーチェにとっては大きな振幅を持って「身体的な激痛」として認識されてしまう。そしてこの極度の神経過敏さが、彼の生命力を日常的に、しかもねこそぎ浪費してしまうのだ。

しかしながらこの、ぞっとするような「超」感覚過敏こそが、彼の数々の業績につながっているのは間違いないと思われる。<<<<

幸運なことに、ニーチェほど強く感じるという例もそれほど多くはないだろう。しかしながら、こうした記述を読むと、高い知能や高い芸術性と細かく鋭い神経が要求される活動、そしてそれを支える鋭い感覚が密接につながっているのかがわかるのではないだろうか。

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ニーチェに関して何の知識も持たない私ですが、ちらっとウィキで調べると精神的衰弱が激しく同時に不治の病にかかったりしながらかなり凄惨な晩年を過ごしたようです。

また、彼自身の責任ではないにせよ、ナチズムへの影響が大きかったことから、現在のドイツ国内では否定的な捉え方をされているようです。

ニーチェがギフテッドだったのかということはさておき、感覚過敏だけに関して言えば、彼ほどの極端な例まではいかないまでも、同じような感覚の過敏さで苦しむギフテッドは多いでしょう。が、感覚過敏の問題がなくかつ知性や芸術性も高い!という例も、同じくらいの割合で存在するのかもしれません。

ただ、この部分=感覚に鋭く反応しすぎるという面があるからこそ、それを起点としてあるテーマを深く追求し得ることにつながり得る、というギフテッドもまた相当いるだろう、と個人的には思います。

そうした強すぎる感覚を苦しむだけの要素から解放して逆向きに転じさせるというのは、周囲と本人両方の認識と努力が不可欠です。

この周囲というのはもちろん、家族である場合が望ましいかもしれませんが、そのサポートを得られない孤立無援状態の状態で、そういう特殊さを本人も理解しないまま周囲にも理解されないまま、つらい幼少期青年期を過ごす例も多々あるだろう。

ブログを書いていて息子のことを見ていて、いつも同じことを感じます。

もし、親がこのことに気がつかなかったとしたら、そういう子どもがたくさんいるとしたら・・・と。だからこそ、そういう子供たちの受け皿を社会が提供するというのが必要だろう、と強く思うのです。

写真は木漏れ日の射す森の散歩道にて。今年はドイツはとてもいい天気が続いてます。


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by dksh_okys | 2014-08-10 23:06 | OE ? OK !
2014年 08月 02日

ギフテッドの感覚過敏について(その2)



「Jenseits der Norm - hochbegabt und hoch sensibel?」より、ギフテッドの感覚過敏 ( Sensorische Ueberempfindlichkeit ) の続き、「触感」についてです。

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ギフテッドは一般よりも、「触感」(自分がなにかに触れた時に感じる感覚と、他人に触れられた時に感じる感覚)が極端に強い。

4歳のトーステンはよく、大人に話しかけられたり触られたりすることがとてもいやだ、と言っていた。

そうはいっても、外出先で知人に会いこうした場面に出くわすことは、子ども自身ではコントロールできないし、もちろんあらかじめ予測もできない。だからその時は親の後に隠れたり泣いたりすることも多いようだ。(← コージは長い間そうでした)

たいていの子どもが何よりも好きな学校の休み時間だが、これもギフテッドにとっては全くの苦痛に変わってしまう場合多い。

ーー休み時間のチャイムがなると、ほかの子たちが一斉に外に飛び出しあちこち走り回るので、よく押しのけられたりする。だからその時間僕は小さくなっているんだ。ーー

ギフテッドは、たたいたり蹴ったりといった身体的接触を伴うけんかを避けることが多く、この点でもかなり苦しむようだ。トラウマになるくらいつらく感じる子どももいる。

特に男子はこの点について極端にプレッシャーを感じるようだ。それを避けることで、「弱虫」だとか「臆病者!」などとほかの子どもたちにいじめられたりするからだ。

こうした学校での極度のストレスから解放され落ち着くために、学校が終わった後にホッとした時間を持てるかどうか、はかなり重要だと言えよう。

しかし現実には、息子のそうした様子を聞くのが耐え難い、特に父親は自分の息子に

やられたらやりかえせ !」

などと、かえってよけいにプレッシャーをかけてしまう場合が多い。

つまり、子どもたちは学校においてだけでなく家庭においてもこの点を負担に感じ、気持ちの行き場をなくしてしまうのだ。

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まさに数週間前の我が家がそうでした。

学校や学童にて、息子が表面上は仲良くしている男の子から、頻繁に顔を叩かれたり足を蹴られたりしていたらしく、迎えに行った私に涙目で訴えることがままありました。

ドイツの男の子同士のやりとりは(少なくとも日本人学校ではそうしたことはない)、結構、というかかなり乱暴、それにある程度やり返さないと逆にイジメの対象になる、というのも現実のようです。

夫も「黙っていてはやられるだけ」ということを小学校時に身をもって学んだようで、

やりかえすことをおぼえなさい」と。

でもね、私としてはそれも一理あるものの、「目には目を」的な応酬には疑問でしたし(もちろんある程度は仕方ないとしても)、息子も「いつもいる友だちだから、あまりやり返したくない」と言うのです(でも彼はそれを夫には言わない・・・)。それになによりも、ちょっとした小競り合いのようなものでも気持ちに響くようなんですよね。

あまりに頻繁なので、その子のお母さんにさり気なく相談し、一時少し治まったようですが、まだまだあるようで。

毎日いっしょに行く学校、学童に行く子ですし、おまけに4年間それは変わらずなんですから、こちらも気を遣います。

でもその子のお母さん自身も幼稚園の先生、私が知る限りとてもいい方だと感じたので、言葉を選んでですがわりとストレートに伝えました。

ボディコンタクトが苦手なことで、コージ自身が学校でも学童でもかなりストレスを感じているんだろうなと、今では理解できるのです。

でも小学校なんかではまだまだそうした場面は避けられない。

こうしてみると、外でのこうした強い緊張から解放され、子どもがホッとする場所であるべき家庭がどれほど大切か、しみじみ思いました。

9月まで出たり入ったりいたします。みなさんもどうかよい夏休みを!


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by dksh_okys | 2014-08-02 10:24 | OE ? OK !