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2014年 07月 17日

ギフテッドの強い感情移入

「ぼくはよく、ものにはぜんぶ 心がある ように かんじるんだよ。」

 最近息子コージは、特にそのことを強く思うようです。

「だから、何かをすてると、それが 泣いている ような気がするんだよ。」そう言いながらも、その場面を想像するんでしょうね。
既に泣きそうになるのです。

だから古いおもちゃ、もう着られなくなったシャツや履けなくなった靴だけでなく、チョコボールの箱とかアメの包み紙とか走り書きメモとかその他もろもろ、一度自分が関わったものをうっかり息子の前で処分しようとすると大変でした。

そういう息子の使ったものって、母である私にとってももちろん彼以上に愛着のあるものですけど、しかしここは狭いアパート。

現実的にはなかなかそれも難しく、不必要なものはその都度処分しなければなりません。私も最近やっとそのあたりの彼の感情を理解しましたので、人知れずこっそりと取り組むようになりましたけど。

昔飼っていた犬が、小屋に敷いていたマットを新しいものと取り替えようと取り出した時に、不安げに不満げにかなしそうに古いマットの方ばかりを見ていたことを思い出しますけど (笑)、犬だって子どもだって(もちろん大人だって)「ある時間を共有したもの」に対して、愛着を持つのは自然なこと、でも息子の場合はそれがかなり強いのです。

先日、私自身がかなり気が滅入っていた時に、このアパート環境は7歳男子にとって決してよくないと思い詰め、引っ越しを考えました(実は今も継続中。夫には言っていないのですがね)。で、こっそりとさりげな〜く息子に聞いたんです。

「◯◯(私の実家)みたいに、広い庭のある家に住めたらいいよねえ。。」

するとコージくん、

! 

このアパート、ぼくは大好きだし、
それにぼくたちが引っ越しちゃったら、

この アパートが泣いちゃう気がするんだ。

だからぜったいに、やだぁよぉぉーー!!」

即答でした。

彼の中では万事がこの調子なんでしょう。このごろは特に自分が関わったものでもないものについても、そういう感情を抱くらしい。

何かに対して、好むと好まざるに関わらず、日常的に息子が入って行かざるを得ない「深さ」について、私も最近よく考えるのです。


写真は、作文の宿題などがあまりにもはかどらなくて頭に血が上った時などに、居間の彼専用の作業テーブルの下にもぐって取り組んでいる様子です。

「ほんとっ、頭くる〜」とか言いながら。。


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# by dksh_okys | 2014-07-17 05:52 | OE ? OK !
2014年 07月 13日

ギフテッドの友だち関係

僕を見たら、Kが逃げるように去って行ったんだ・・

先日日本人学校が終わった後に迎えに行くと、息子が半泣きで私の元に来ました。
ギフテッドの友だち関係_d0002471_22393359.jpg
あとでKくん母と話しましたが(コージが青い顔をしていたので心配になって電話をくれた)、Kくんとしてはそんな深い意味はなく「ちょっとめんどくさいなあ」くらいだったのでしょう。

どうやら、コージの強い思いが周りにも自分にもストレスを与え、よくないように回ってしまっているのかな、と。

明るくて面白くてみんなから好かれるKくん。7歳の子どもですしその時の興味に応じて他の子と遊んだり一人になりたかったりで、いつもコージとだけというのはそりゃあ無理な話です。

でもコージは違うのです。これぞと思った相手に、

全身全霊で (笑)対したい

以前に(中途半端に)紹介したJenseits der Norm...で、まさにこの部分について書かれたところ(Freundschaften (= 友人関係))がありました。ギフテッドアダルトについてですが、子どもにも当てはまると思いますので、かなりの意訳ですがちょびっと紹介したいと思います。間違いに気がついた方がいましたらご一報!

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ギフテッドは友人に対しても、(自分がそうであるように)深くて密度の濃いやりとりを無意識にもとめてしまう。そうした自分の思いの強さに対して、ネガティブな反応が多かったという過去の経験から、ギフテッドは人間関係においても、ちょっとしたことに敏感に反応すぐに懐疑的になってしまう・・・

グレン・クールドピカソがまさにそうであったように、ギフテッドは、長い時間をかけて培った大切な人間関係を、相手のほんのささいな一言によって一瞬のうちに完全に断ち切ってしまうということもよくある。

しかし彼らが、こうした強い感受性や他人に対する要求度の高さを否定的にとらえて、他人に合わせすぎたりするというのは、自身への不満や緊張が増してしまう。

だからギフテッドに大切なのはまず、

ギフテッドである 自分をよく知ること」。

ギフテッドであることの特異性について
自分が何を望んでいるのか
自分の持っている能力や可能性
陥りやすい危険性
そしてギフテッドが人間関係を築く上での傾向

などを、自分自身でよく認識し理解すること。

そのことこそが実は「自分以外のギフテッド」を理解することにもつながり、結果的に彼らが共に切に求めている、

表層的ではない豊かで深い人間関係」を、

ギフテッド同士で 築くことができるのだ。

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自分のことを肯定するためには、まずギフテッドである自分の特性を知ること、そうすることで人間関係をよりスムーズに運ぶこともできるかもしれない。そしてその上でやはり、ほかのギフテッドとの交流が欠かせないものでもあるんでしょうね。

大人でもそうですけど、子どもだって一人では淋しい。特にこれからは複雑な思考や感情がさらに増えてくればくるほど、家族だけでは満たされない思いというのはだんだん強くなりましょう。

そういう時の苦しい思いを理解できるというのは、やっぱり同じような深さや密度を求めて四苦八苦した経験のある人かもしれません。

また、そういう存在が一人でもいることで、実はほかのの関係もスムーズにいくこともあるんでしょう。自信につながって余裕も出てくるかもしれませんしね。

今朝息子にも、彼の友だちに対する思いの強さなどは決して特殊なことではないこと、でも友だちの気持ちやペースも尊重しなければね、と話しました。そして悶々とした2週間を過ごした後の今日土曜日、また二人は「親友」に戻って仲良く遊んでいたようです。

ところで写真は、英国式長屋住宅のステキな前栽。

ドアまわりの生き物のような木(生き物だけど)に思わず引きつけられました。改装中(←ほぼ半永久的)のクレアのビクトリアン様式長屋もステキだったけど、写真を撮るのを忘れちゃいました。また次回。


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# by dksh_okys | 2014-07-13 03:57 | 悩み多き友だち関係
2014年 07月 10日

イギリスでの日々。

ツール・ド・フランス(と、ウィンブルドン)に湧いたイギリスから帰ってきました。
イギリスでの日々。_d0002471_2059790.jpg
親しい友人クレアがロンドンでのモダンダンスのチケットを取ってくれたのがきっかけですが、新しいテートモダンにて、マチスの晩年のすさまじい情熱を傾けた切り紙絵(っていうっけ?)展を観たり、随分訪れてなかったケンブリッジにて、この時期のみ開催する地元のアーティストたちの Open Studio に出かけたり、とにかくよく食べよく飲みよくしゃべり、思いっきり羽目を外してまいりました。気持ちもだいぶ軽くなったかな。

ところで写真は、友人の愛車である、

なんちゃってフォルクス ワーゲン

実はこれを作ったのはなんと、日本の自動車メーカー「スバル」だそうな。

最高時速50キロ(もちろんそんなに出すことはないけど)、日本の軽トラックのような乗り心地のこの車ですが、買い物用の小型車を探していたところ、e-Bay で見つけたらしのですよ、クレアの夫 Andy が。

色もかわいい(自作のスマイリーもミラーにぶら下げてる)この車で、週末になると買い物をしたり市民農園で育てている野菜などを収穫しにいったりするんですと。

なんといってもステキなのは、これに乗ってケンブリッジをノロノロ走っていると、道行く人々がみんなこちらに向かって、

ニコニコ手を振ってくれる んです!

まるでラブリーなクレアの人柄そのもの(彼女の周りはみんなニコニコ)で、助手席に座っていた 私も もちろん手を振り返しつつ(笑)終始ニコニコでしたよ。

スバルさん、こんなところでいい仕事してるじゃないのっ。

結論。

母親業も、休息が必要

友だちのこと、学校のことで感じる息子の日々の緊張、不安が母親である私に伝わり、スポーツも習い事もしない環境にて、息子が私への依存を深め全てが私に集中しているように感じていたところだったので、とてもいいタイミングで気分転換できました。

息子と言えば、4日間さぞ寂しがっているかと思いきや、私がいないことで許されたテレビ視聴とかスターウォーズのDVD、それとお父さんがよく遊んでくれたり等、いろいろ特例があったにせよ、母親がいなくてもけっこう回っていたようで、ああ親子ってこんなものね、と妙に納得しています。

家族といえどもお互いの大切さを再認識するためには、やはり時々こうして離れてみること。子どもが小さいとなかなか難しいですけど、ときどきは諸々の事情をとりあえず置いといて、

自分だけの楽しみを優先 する!

これってホント大切だな、と思いました。

「自分のため」が、子どものために家族のためになる・・・こともあるのよ(笑)。

きちんと休息することこそ、

 長きにわたっての健康的&建設的な思考に不可欠!」

という考えがしっかり根付いているヨーロッパにおいて、「休み」はと〜ても大切なものであり、自分がとることとともに周りがとることをみんなが尊重してくれます。夫も協力してくれたので今回は思い切りましたが。

イギリスのそれはそれは美しい田園風景とともに、イギリス人のなんていうか、

表現や態度が婉曲で奥ゆかしいところ」などもね、

ドイツにて、

自我と権利を主張しすぎる

人たちにこのところ辟易していた私にとてっては、かなり癒しとなったようです。
いやドイツ人、いい人もたくさんいますけどね(笑)。

ああ、また行きたいな。私から話を聞いたコージは既に行く気満々です。

夫にも美しいイギリスのガイドブックを買って来ました。まあでも、家族でいくとなるとまた(かなり)違うんだけどね。。でもとにもかくにも、二人ともありがとう!


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# by dksh_okys | 2014-07-10 21:27 | ドイツの日常
2014年 07月 03日

ある日のコージの財布の中身

ちょっと重い話題が続いたので気分転換。

家で遊んでいる時は、家着用のズボンのポケットにあらゆるものを入れている息子です。なのでポケットがないものは絶対にはきません。

前後左右に合計4つのポケットがあるものがお気に入りでして、走ったりジャンプしたりして中身が床に落ちて音をたてるので、知覚過敏の夫やもちろん階下の方にも大変迷惑なんですが・・
ポケットに入れるグッズとしては、まずはピストル、それにだいたいもれなく財布が加わりまして、その財布も中にいろいろなものをいれているので、いつもポケットはパンパンに膨らんでます。

私の母や夫の母、双方からいらなくなったものをもらっているので、財布に関しては彼はすでに膨大なコレクション(10個くらい?)があります。

その中身については時々、 頼みもしないのに 公開してくれまして、写真は一昨日のものです。

運転免許証(←3年前くらいに私がつくってあげた)
・おもちゃの金貨
・イギリス硬貨
・成田で買った浅草小判
・義母にもらったダイヤモンドのボタン(笑)

などなど。

夫を見ているからか、ポケットに財布を入れる、というのはなんだか大人っぽい感じがするようで、それを取り出す仕草とかを悦に入ってよくやっています。

実は私も、よく着るジャケットの左ポケットには、去年の冬にコージからもらったカスター二(日本の栗のようなもの)が入ってます。

なんだか取り出すこともできずに、ずーっと入ったまま。
ポケットに入れた左手がそれに触れると、なんだかホッとするのですよ。

乾ききっているので腐らないでしょうし(笑)。


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# by dksh_okys | 2014-07-03 12:37 | 今、ハマっているもの
2014年 06月 24日

日曜午後のユウウツ。

ドイツの小学校1年目がもうすぐ終わるのですが、仲のいい友だちがなかなかできずにいます。

みんなとなかなか興味関心が合わず、かといって一人でいることにも耐えられずと、息子にとっては毎日がたいへんそうで、側で見ている私としてもどうしたものかと迷う日々です。
日曜午後のユウウツ。_d0002471_203495.jpg
一番の友だちK君は近くに住んでいないので、頻繁に会うことができない。
で、会うとなると当然その 興奮度が 極端 になり、傍で見ていても疲れる程。

先日もこのKくんと久しぶりに長時間遊んだのですが、夕方彼が帰ったあとでソファに突っ伏して泣き出しまして。。

「Kと別れるのが、すごーく 淋しいんだよぉぉぉ・・

会えなければ会えないで思いが募り
会えば会ったで別れがつらい・・

と、まるで 恋人のよう ・・・。

K君も息子も、日本語が同じように流暢、バイリンガル特有のそれっぽいアクセントがなく(←コレって重要)、豊富な語彙をつかってダジャレや言葉遊びを交えて共通の興味であるサムライや忍者について延々と語る・・。

まさに理想の友だちです。
息子のKくんといる時のウレシさも興奮もわかります。

でもね、見ていると悲しいかな「Kくんにとって」の息子は、そこまでの存在ではないのですよ。

遊んでいる最中でもK君はよく突然本に集中したりして、自分ひとりの世界にすーっと入って行くんですが、一方コージはというと、事前に勝手にシュミレーションしていたことを消化できずにウツウツしてたりしまして、見ようによってはちょっと、

重っ・・。(←笑)

すでに 将来の異性問題 が想像され、母としてもちょっと切ないものがあります。。

いやいやでも、少なくとも二人で遊ぶこと自体はお互いとても楽しいようなので、その点はコージにとっても母にとっても文句なくうれしいんですがね。

でも問題は、最近このちょっと強すぎる「ステキな片思い」が、ふだんの友だち関係にステキじゃなく影響してきている、つまりKくんと比べるとみんな、

なんか 全然 違う

と思えてちゃうらしい。そりぁそうよね。

他の友だちへの要求度をぐんとあげてしまい、周囲への不寛容さが増し結果として彼らを否定してしまう。それは当然態度にも出てるんでしょうね。一応、彼なりに合わせる努力はしていると思いますけど。そういう満たされない思いがさらに「極端に狭い範囲」(Kくんね)に集中してしまう。

友だち関係は、どの年齢でも多かれ少なかれ悩みを抱えるものだと思いますが、早熟さと社会性の発達のアンバランスさ、友だちを細かく観察しすぎることで必要以上に感じる感性の違い価値観の違い、興味の対象の違い、そうした違いを受け入れられない不寛容さ、そしてそれらに対する「思いの強さ激しさ」などで、周りの友だち候補をみんなはじき飛ばしてしまう。

周りもそういう彼の繊細な反応や極端さに、

「 ホント、Too much なやつだな・・ 」

(一番の理解者である私でさえもそう思うこと多々)と感じているのかも、と。

このあたりは、ギフテッドのものの本でもおなじみの問題ですけど、息子の場合さらにプラスすることの、

それらが導く「ひとりぼっち」にも耐えられない。

対策としては、

1)なにか共通項が見つけられるように、こちらも歩み寄ること
2)ひとりでいることをネガティブに取りすぎないこと

なんでしょうが、その二つのどちらかに偏りすぎてもだめでしょうし、でもそのバランスをどうとればいいのか、母として具体的なアドバイスができずにいつも迷っています。

2)については、もうこれは折に触れていつも言っています。自分でも「ぼくもそう思うんだよ」と言うのですが、そんなの簡単にできませんよね。「なかなか難しいよね」と親として共感しながらも、言い続けるしかないんだろうな。

それ以外にも、

3)行動範囲、交友関係を広げられる学校以外のアクティビティを探す

といつも考えていますが、なかなか適当なものが見つからず、第一本人がやりたがらない。

ドイツの小学校は4年間クラスが同じです。だから、わずか11人の男子の中で適当に合う友だちがいないとやはりつらい。だいたい、学校が楽しかったなんて言ったことはほぼなく、翌日からの学校のことを考える日曜には ため息が深くなる。

それは大人でも同じですけど、7歳男子が、と思うと母としてもつらい。

息子はそういうことを全部私に話してくれるのですが、私の方も心情的に共感しすぎて苦しい部分もあります。

とうやったらそういう親子の苦しさを少しでも減らすことができるんだろうなあ。
緊張を解くなんらかの親子参加のセラピーが必要なのかなあ。


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# by dksh_okys | 2014-06-24 20:59 | 悩み多き友だち関係